モビリティ&オートモーティブ
進化する業界において信頼性の高いリークテストを実現


自動車業界の変化に伴い、リークテストがますます重要になってきています。
すでに、燃料タンク、噴射システム、エアバッグガスジェネレーターなど、自動車部品の製造におけるさまざまなリークテスト業務には精通されていることと思います。現在、電気自動車(EV)および燃料電池自動車(FCV)の普及に伴い、多くのケースでさらに厳しい気密要求が課されるようになっています。リチウムイオン電池の個別のセルまたは電池パック、水素燃料電池のバイポーラープレート、自律走行車両のADASセンサーなど、いずれの場合も同様です。INFICONは、すべての産業試験業務に最適のリーク検出ソリューションを提供することができます。
自動車製造の進化に伴い、ますます多くの自動車部品の製造において、リークテストが、品質保証に不可欠の要素であり続けるでしょう。INFICONの専門家が、固有のアプリケーションに最適の、最大の信頼性、高スループット、および適度なコストを組み合わせたソリューションについて、喜んでアドバイスさせていただきます。
電気自動車(BEV/PHEV)が普及するにつれて、駆動用電池の需要も増加しています。製造プロセスのそれぞれの段階で、電解液がリチウムイオン電池のセルから漏れたり、水や湿気に接触し、反応してフッ化水素酸が生成されないようにすることが重要です。短絡の危険性があるという理由だけでも、水がバッテリーパックやモジュール内に決して滲入してはなりません。
INFICONの製品を使用することにより、気密要求への適合を保証することができます。例えば、INFICONの ELT3000 リークディテクターは、充填済みのリチウムイオン電池セルの、直径わずか数マイクロメートルのリークの検出を可能にした史上初のデバイスです。これにより、目標の10年の耐用年数を達成することができます。INFICONの LDS3000または LDS3000 AQ などのデバイスは、ハウジング、冷却系統、または電気モーターのリークテストに最適です。ガス流量の大きな、 XL3000flex および Protec® P3000XL は、製造された電池パックの自動ロボットスニッフィングリーク検出に最適です。
燃料電池車両の水素テクノロジーは、水素タンクや配管、水素の再循環システム、バイポーラプレート、燃料電池スタックに取り付ける膜-電極接合体(MEA)等について、固有の気密要求が設定されます。一般的な燃料電池故障モードは、陽極と陰極間のクロスオーバーリーク、あるいは水素が制御されずに酸素と反応することになるオーバーボードを含みます。
水素はまた、冷却回路へと漏出してもなりません。水素を含む すべてのコンポーネントには、CNGやLNGコンポーネントに対するのと同様な、可能な限り小さな 10-5 mbar∙ l/sのリークレートが適用されます。水素が使用されている場合、ガスベースのどのようなテスト方法も難しいものになります。燃料電池コンポーネントのいくつかについては、真空チャンバーでのサイクルタイムの短いテストが最良です。水素タンクシステムのようなサブアセンブリーFCVシステムに対しては、自動化されたロボットスニファーリークテストを推奨します。
内燃エンジン(ICE)を搭載した車両のパワートレインには、製造プロセスにおいてリークテストが必要となる多種多様なコンポーネントがあります。それは、まだ何も取り付けられていないギアボックスハウジングの予備テストであることも、あるいはオートマチックトルクコンバーターのオイルリークについてのテストであることも考えられます。デュアルマスフライホイールやインジェクターもリークテストを行う必要があります。
これらすべてのリークテストについて、差圧試験(エアーリーク)のような従来の方法では限界があります。インタークーラーは、その特性上温度変動から非常に大きな影響を受けます。しかしながら温度変化は、圧力テストの結果をまったく使用できないものにしてしまう可能性があります。トレーサガスをベースとしたリークテスト方法はずっと信頼性の高いソリューションで、INFICONの LDS3000 と真空チャンバーとの組み合わせ、あるいはコスト効率に優れた蓄積チャンバーを使用する LDS3000 AQ がそれを可能にします。
炭化水素排出防止基準の厳格化により、最近では燃料タンクおよび燃料噴射システムの気密要求レベルも近年世界中で厳しさを増しています。そのため燃料タンクおよび燃料ラインは、10-4 ~10-6 mbar∙l/sのリークレートでテストされることが稀ではありません。水没法や加圧法では、そのような低いリークレートのテストには対応できません。トレーサガスをベースとしたテスト法のみが、それを可能にします。
精密なリークテストは、燃料噴射バルブあるいは燃料ポンプの製造にも必要不可欠です。操作圧が高いコモンレール噴射システムでは、要件はより厳しくなることが稀ではありません。コモンレールシステムで使用されているコンポーネントのリークテストは、10-4 ~10-6 mbar∙l/sのリークレートで行われます。INFICONの LDS3000 および LDS3000 AQ などのリークディテクターは、このようなアプリケーションに対して産業界で長年にわたる定評を得ています。
現在ではほとんどすべての自動車エアコンディショナーにおいて、気候に悪影響を及ぼすR134aに代えてR1234yfが使用されています。この新しい冷媒は、ACシステムにおいて通常10~15barの圧力で使用することができます。ラグジュアリーセグメントのいくつかのメーカーは、可燃性のR1234yfの潜在的な問題を完全に排除するためCO2( R744として知られています)を高圧で使用していますが、そのため設計も複雑なものになっています。いかなる場合も、確立された経験則である冷媒最大リークレート2~5 g/年にしたがって設計されています。
この冷媒リークレートは、ヘリウムリークレート2∙10-5 mbar∙l/sのテストと同等なものです。そのためほとんどのエアコンディショニングコンポーネントは、10-5 mbar∙l/sのリークレートでテストされます。INFICONの LDS3000 による真空チャンバーでのリークテストでは、きわめて短いサイクルタイムを達成することができます。エバポレーター、コンデンサー、ホース、あるいは充填バルブも、よりコスト効率の優れた蓄積方法で、 LDS3000 AQを使用して、リークテストを行うことができます。.
安全に直接に関係するあらゆる車両コンポーネントには、耐リーク性についての要求に対応しての特別な品質要件があります。例えば、ブレーキホース、ブレーキフルードリザーバー、ブレーキブースターは、一般に10-3 ~10-4 mbar∙l/sのリークレートに関してのテストが必要であり、これは蓄積チャンバーでのヘリウムテストにより行われることが稀ではありません。
エアバッグのガスジェネレーターは、ボンビングによりテストされます。まずエアバッグイグナイターに大きなヘリウム圧がかけられ、続いて真空チャンバーにおいてテスト部品からどれだけのヘリウムが漏出したかを測定します。発火式エアバッグガスジェネレーターは湿気の侵入に対して保護されている必要があり、リークレートが10-6 mbar∙l/sでは不合格となります。
エアバッグコールドガスジェネレーターのリークレート基準は、幾分高いものになります。ヘリウム/アルゴン混合ガスは、10~15年以上にわたりその高い圧力を維持する必要があります。このテストについては、より小さな10-7 mbar∙l/sのヘリウムリークレートでの、 LDS3000 または Modul1000 による真空リークテストが確立された試験方法となっています。
アドバンスドドライバーアシスタンスシステム(Advanced Driver Assistance Systems、ADAS)による自律走行車両あるいは半自律走行車両は、多数のセンサーを使用しています。安全に決定的な影響を及ぼすADASセンサーテクノロジーにとっては、フェイルセーフティーが非常に重要です。そのため、ほとんどのメーカーにとって欠陥の発生率が100万分の3.4というシックスシグマアプローチなどとうてい不十分なもので、 部品10億個当たりの不良品が1個未満という「ゼロディフェクト」戦略が採用されていることが稀ではありません。
例えばLIDARおよびRADARセンサーは、曇ることがあってはなりません。そのため湿気が侵入して曇りが発生する可能性を排除するため、これらのセンサーの製造時には、10-6 ~10-7 mbar∙l/sのリークレートに相当する気密性で品質チェックを行う必要があります。多くのメーカーが、INFICONの LDS3000のような装置を使用しての、ヘリウム真空リークテストを採用しています。
最終組み立ての後、予備テスト済みのサブシステムとコンポーネント間の接続部について、リークテストを行う必要があります。INFICONはそのための種々のスニファーリークディテクターを提供します。手順は次の通りです:コンポーネントにテストガスを充填し、デバイスのスニファーチップを手動あるいはロボットにより自動で、テストが必要な領域にわたってガイドします。R1234yfあるいはCO2のような気体状の作動媒体では、ヘリウムあるいはフォーミングガスが適当なテストガスになります。2.
INFICONの冷媒ガスリークディテクター HLD6000 および Ecotec E3000などは、エアコンディショニングシステム、燃料噴射システム、あるいはバッテリー温度管理システムなどのコネクターのテストにお勧めできます。 Sensistor Sentrac® 低コストのフォーミングガスを使用するスニファーリークディテクターは、内燃機関のオイルおよびウォーター回路のテストに用いられます。INFICONの XL3000flex および Protec® P3000XL のようなトレーサガススニファーリークディテクターは、ガスフローが高いためダイナミックなロボットスニファーリーク検知に適しています。
AC修理技術の向上の必要性はかつてないほど高まっており、確かな漏れ検査は修理のベストプラクティスの不可欠な要素となっています。 この背景には、R1234yfの価格上昇、RRRリークテストの誤解、電気自動車の空調とバッテリー動作の関連性など、自動車アフターマーケットに影響を与えるいくつかの要因があります。
冷媒の価格上昇に伴い、技術者は最初から適切に修理を行う必要があります。リークテストの誤りや不十分さによって漏れを見逃すと、その結果、高価な冷媒がすべてシステムから排出される可能性が高く、顧客はカムバックすることになります。 INFICONの自動車サービスツール(AST)は、技術者がリークを発見し、顧客からの返品を避けるための電子リークディテクタの全ラインを提供しています。
米国でAC修理を行うショップの設備要件であるRRRマシンは、大きく粗い漏れをチェックするリークテスト機能を備えています。 この装置で問題のある漏れをすべて検出できるという考えは、誤った安心感を与え、再修理に費用がかかることになります。 顧客のカムバックをなくすために、技術者はAST300PPM やAST200IRのような大きな問題の原因となる小さな漏れを見つけることができる専用の電子リークディテクターを使用すべきです。
電子自動車市場の成長は、電子リークディテクタを使用するもう一つの理由を提示しています。EVの空調システムは、バッテリーコンパートメントも制御しています。エアコンが効かなくなると、安全のために車両が停止してしまいます。 このため、EVのAC修理では、リークテストのベストプラクティスに従うことが非常に重要です。
毎日のRACメンテナンスに最適なAST100から、水素形成ガスでリークを安全に見つけることができる本質的に安全なAST100FG まで、INFICONはあなたのアプリケーションに合ったリークテストソリューションを用意しています。